この記事は、2009年5月27日にCNET JAPANに投稿したものです。
インターネットを利用した通販の歴史はおよそ10年と少し経過している。当初、しばしば聞いた言葉で「デジタルデバイド」
というものがあった。この言葉は、パソコンを使えないと世の中ついていけなくなるという意味だが、今では死語になっていると思われる。
当時はまだ
ネットが物珍しかった時代のことであり、10年以上経過した今では、ネットはライフラインのひとつになったと言っても
過言ではない。ライフラインになりつつあることで、ネットでのサービスは携帯電話やパソコンを使えない人にも利便性を
与えなければいけない。 たとえばネットスーパー。実際に店舗に行く代わりに、ネットを使って商品を注文するとその日
の夕食を準備する時間までに届けてくれるものである。この利便性は携帯やパソコンを使える人に対してだけでいいのか。そのサービスを使えば雨の日や、重い
もの、かさばるものを購入したいときは、まことに便利なサービスだ。ただ実際にサービスを必要とする人たちがこの利便性を享受できるのは、実際にはわずか
な人たちであろうと思う。
本当にサービスを必要とする人は
本当にそのサービスを必要とする人は、ほとんど携帯やパソコンは使えな
いシニアの方が多いのではと思う。そこで思うのが、ネットサービスは何も携帯やパソコンが使える人たちだけではなく、
電話がかけられればいいのでは。 企業は電話で受けられる仕組みがあればよく、電話で受けた注文をネットサービスのフロントで
入力代行すればよい。企業にネットで受注する仕組みがあれば、新聞に挟まれているチラシを見た消費者が、ほしい商品を注文するには、さほど難しい仕組みは
要らないはずで、注文主と購入したい商品番号がわかればいいのだ。私でもいちいちパソコンを立ち上げてからおもむろに注文するよりは、出前を依頼する感覚
で注文できたほうが良いと思う。
ネット通販はパソコンや携帯電話だけがチャンネルではない
ネット通販のチャンネルはパソコンや携帯電話
だけではなく、電話も一つの重要なチャンネルである。これは何もネットスーパーだけのことではない。今後カタログ・チラシを配布している小売り業におい
て、ネット通販は、電話注文を主なチャンネルと考えておくべきだ。(加辺友明)
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