この記事は、2009年5月30日にCNET JAPANに投稿したものです。
今日の朝日新聞朝刊に主題の「出版界 地殻変動」の記事が1面に掲載されていた。大日本印刷主導の、出版業界の再編である。 それも大日本印刷 のほか出版社3社が新中古本のブックオフ株の取得であり、今まで出版社は中古本の販売を中心に行うブックオフを敵対関係としてきただけに、その思惑を知り たいところだ。
確かに書籍の売り上げは出版科学研究所の調べで、96年をピークに低落傾向だ。ここの出版販売額の図を見てみると、雑誌の低落が顕著だ。
http://www.ajpea.or.jp/statistics/statistics.html
活字離れなのかと思ったが、そうでもなく。 ブックオフは直近の決算短資では連結売り上げは昨年度605億と前年比19.8%増であることを見ると 新本の減少に対して中古本の売り上げ増があり、傾向だけを見れば新本の代わりに中古本へ移行が進んだと読める。
しかし、通勤電車の中を見ればわかるように、以前ほど雑誌を読んでいる乗客は明らかに減っている。 逆に携帯電話をのぞき込んでいたり、メールを 打っている乗客を多く見かける。 これでは雑誌を読む時間がなくなったのではと思われる。
確かに雑誌・書籍・新聞は紙から電子媒体へシフトし始めている。amazonは電子書籍リーダKindleを 2009年の夏に米国で発売しようとしているし、一方iphoneでダウンロードできる電子書籍を見ても急速に増えている。たとえば、クーリエ・ジャポン は紙媒体だと680円だが、電子媒体だと350円だ。(印刷・物流コストを除いた価格だ) 実際の書面サイズより遙かに小さいiphoneでは、ユーザイ ンターフェイスに対してはかなり苦労されているようで、読みづらさはやや改善されている。 また、ファッション雑誌エフもlite版が無料で配布されてい る。文庫版では著作権が切れた小説はリーダだけダウンロード(有料)すると、かなりの量を読むことができる。 新聞は産経新聞が紙面のレイアウトで表示さ れ、読みたい箇所をクリックすると、その部分が拡大され読むことができるようになっている。
書籍・雑誌は電子媒体への移行が進む。 すべて電子書籍化にはもちろんならないが、このままのスピードで進むと、古代エジプト時代から始まった営々 と続いた紙媒体での書籍は、パラダイムシフトでビジネスの考え方も大きく変わってくるのだろう。 そうなったら、残るのは出版社で中古本の需要は少なくな るのでは。(加辺友明)
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投稿情報: Francielli | 2012/02/22 14:25