この記事は2009年7月6日にCNET JAPANへ投稿したものです。
前回同様「総務省の通信利用動向調査」をコメントします。
インターネットの利用者は平成20年末で9,091万人、人
口普及率75.3%。(総務省
通信利用動向調査)普及率が75.3%というのはそろそろ飽和に近づいていることを現していると思う。しかし、殆どインターネットの利用
目的は閲覧、メールだ。気になる「商品・サービスの購入」に着目すると、パソコン
からは45.5%、携帯でのそれは30.1%だった。驚いたことに、携帯でのそれは前年度より1.4%下がっている。パソコンでこそ前
年と変わらなかったがこれも驚きで、これは思ったよりも伸びていないと感じるところだ。やはり、ここでも景気低迷が影響しているのか。
ECではリピーターが増加?
利用者数が減少したにも関わらず、その他の資料を見る限りネット売り上げは増大している。同じ調査方法ではないので、単純に比較するわけにはいかな いが、利用者数が減少したにも関わらず売り上げが増加しているのは、一人あたりの購入金額が増えているのかと思われ る。購入した人は慣れてきたこともあり、繰り返し購入している。前出の調査資料からインターネット利用者数が9,091万人のうちパソコ ンでは4,136万人、携帯は2,736万人という計算になる。これらの値はECサイトでの最大会員数と なるのだ。(会員登録しない人もあるが・・・)
自社ECサイトでの対策
会員獲得では対象は二通りだ。
購入経験者の獲得:会員の最大数は4,000万人なので、現在の自社EC
サイトでの会員数は全体の何%を獲得しているかだ。
未購入者の獲得:まだ、全利用者の50%以上は未購入者
だ。購入経験がない人をいかに自社サイトで購入してもらうかだ。これはかなりむずかしい。それでも単純に考えるとまずサイトのユーザビリ
ティ、信頼性が第一にあげられる。これには会員登録の際のちょっとした入力方法も信頼性に影響す
る。ユーザビリティの問題はいつも登場するが、たとえばブランドを意識したファッションサイトではサイト自体綺麗だが、ブランドを意識しすぎるのか、ユー
ザビリティはいつも犠牲になっている。インターネット限定品の販売をさまざまな広告媒体での認知が
優先されるだろう。
さらに、業態・商材に合わせてこの会員獲得を中心にいかに実施するかで、今後の事業展開が決まるといっても過言ではない。
おまけ (購入されている商材)
デジタルコンテンツが49%
衣料品・アクセサリーが31.8%で女性は43.8%
となっている。男性で二番目に多いのが趣味関連品・雑貨となっている。以前、パソコン関係が一位だったのが、 2008年末には17%に後退している。
以上2008年末の利用動向をあれこれ見てきたが、詳しくは平成20年「通信利用動向調査」の結果を参照ください。(加辺友明)
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